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「ローエングリンの陽電子ビームの速度は光速か?(ガンダムに登場するビームの速度)」に回答

2012-10-08 01:28

この記事ではなぜビームが光速ではないのかについて取り扱ってます。

ちなみに宇宙世紀のビームの速度をビーム兵器の出力値から算出しようとした、

無駄なあがきがこちらの記事:「ミノフスキー粒子の考察」になります。

質問

SEEDのローエングリン(陽電子砲)は光速ではないのですか?
ビームは光速の設定がSEEDにはあるようですが、
ローエングリンはどうなんでしょう?                   (Yahoo!知恵袋の当該の質問より引用)


現象也の回答
・公共の場なのと字数制限があるので文章が堅いですm(_ _)m
マナーさえ守っていただければ、いくらコメントしていただいても構いませんので下のコメント欄でお気軽にどうぞ。
・ただし、記事内容と直接関係のない考察・議論・質問はこちらのコメント欄でお願いします。

>ビームは光速の設定がSEEDにはあるようですが、ローエングリンはどうなんでしょう?
ローエングリンの陽電子ビームに限らず、SEED世界の粒子ビーム、果ては現実世界の粒子ビームに至るまで

全て光速に達しません。


まず、アストレイの小説に光速に近いという記述はあるようですが、光速という設定はありません。


また、仮に陽電子ビームが光速だったとすると劇中描写と矛盾が起こります。

40km/hで進む車から60km/hでボールを進行方向に投げると、

静止している人からはボールは40+60=100km/hで進むように見えます。

ですが、光はどれだけ高速で進む物体(車、ロケットetc)から放たれても、その速度つまり光速は変わりません。

ということは陽電子ビームが光速と仮定するとビームから放たれた光も光速のため、

ビームとビームから放たれた光は同じ位置を同じタイミングで進むことになります。

ここでSEED49話のアークエンジェルとドミニオンがローエングリンを打ち合うシーンを思い出すと、

アズラエルはビームの着弾直前にビームが迫ってくるのを目視しています。

しかし上記の仮定でいくと、ビームから放たれた光を目視したと同時に着弾するはずなので

そのシーンと矛盾が生じてしまいます。


さらに言えば、物理的に粒子ビームを光速まで加速することはできません。

「質量のある物体を光速まで加速しようとすると、みかけの質量が増大して無限大のエネルギーが必要になる」

からです。(相対性理論で説明されるのですが、専門外なので間違ってるかもしれません)


ちょっと計算してみましょうか・・・


ローエングリンを撃つには

①陽電子を生成する
②生成した陽電子を加速する

ためのエネルギーが最低限必要です。

簡単に質量mの陽電子1つについて、上の①と②のエネルギーについて考えます。

※1によると
質量mの物体が持つ静止エネルギーつまり①のエネルギーE0は光速cを使って

 E0=mc^2 [J] (「c^2」は「cの2乗」を表す)

と表されます。(※2)

一方、②の加速に要するエネルギーは発射速度をv[m/s]とすると

 E-E0=(mc^2)/{√1-(v/c)^2} - mc^2 [J]
(「/」は割り算、「√1-(c/v)^2」はルート内が「1-(v/c)^2」ということ)

となります。要するに①と②合わせて

 E=(mc^2)/{√1-(v/c)^2} [J]

だけのエネルギーが発射に必要になります。

上の式に

 陽電子の質量:m≒9.1×10^-31[kg]
 光速:c≒3.0×10^8 [m/s]
 発射速度v:Ⅰ光速cの30% Ⅱ光速cの60% Ⅲ光速cの90% Ⅳ光速cの99% Ⅴ光速cの99.99999999%

以上の具体的な数値を代入すると

 Ⅰ→E=8.6×10^-14 [J]
 Ⅱ→E=1.0×10^-13 [J]
 Ⅲ→E=1.9×10^-13 [J]
 Ⅳ→E=5.8×10^-13 [J]
 Ⅴ→E=1.8×10^-8 [J]

となります。

計算はしませんがより光速に近づけば近づくほど発射に要するエネルギーが無限に増えていきます。

しかも、陽電子砲で発射する陽電子が1つのはずがないので、複数個全部でm=1[kg]分発射するとして計算すると

 Ⅰ→E=9.4×10^16 [J]
 (省略)
 Ⅴ→E=6.4×10^21 [J]

と莫大な発射エネルギーが必要になります。
(参考までに 日本国内で1年間に発電された総電力量(2002年):3.95×10^18 [J] )


以上のように、質量のある物体を光速まで加速して発射しようとすると、

アークエンジェル程度ではまかないきれないエネルギーが必要になるのでローエングリンは光速には達しません。


※1
Wikipedia-静止エネルギー

※2
原子核に高いエネルギーを持った光子を衝突させることで陽電子を生成することができるのですが、

このとき同時に電子も生成されます。(対生成)

なので、本来は陽電子の生成には電子の生成エネルギー分も考えて、2倍の2E0[J]のエネルギーが必要となります。

前回も拍手ありがとう(ノ∀`)


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コメント

  1. 野良猫 | URL | EBUSheBA

    ビームの速度は亜高速とかつけるなら制作側にはもっと高速な描写をしてほしいですね(笑)

    イボルブのガンダムとブラウブロの戦いのように瞬間的的に線が走る感じで

  2. 現象也 | URL | -

    Re:野良猫さん

    >ビームの速度は亜高速とかつけるなら制作側にはもっと高速な描写をしてほしいですね(笑)

    アニメーションでのビーム表現というのはたいていゆっくり進む光といった感じではないですか?
    宇宙空間にも関わらずビームの発射音が聞こえるのも、全ては視聴者に感覚的にわかりやすく、映像として栄えるようにするためです。
    全てを設定通り、現実通りに描いてしまってはアニメーションとして面白くない、そういうものだと思います。

    件のイボルブの映像であれば、ビームライフルの弾数は15発という設定があるにも関わらずそれ以上にビームを撃っています。
    これも設定という面から観れば間違いなのかもしれませんが、アニメーションとしては正解になります。

  3. | URL | -

    どうでもいいですけど、陽電子を1kgも撃つとは思えないですね・・・
    電子と同じ質量ということを考えると、基本的に光と同じで質量を考えない物質としてとらえて良い速度だと思います。

    私もそれほど物理に詳しくはないですが、さすがにこの考察のしかたは無理があるのではないかと・・・

  4. 現象也 | URL | -

    >3

    >陽電子を1kgも撃つとは思えないですね・・・
    よく文章を読んでください。
    私は「m=1[kg]分発射するとして計算すると」と書いている通り、ただ単に仮定の話をしているだけで、それが正しいだとか、私がそう断定しているだとか一言も書いていません。
    ここでは、切りがよく、また読者が任意にmをとった時に計算しやすいように、m=1[kg]としているというのが大きいのです。
    1kgで多いと思うなら1gでも0.01gでも構いません、それでも10桁以上の膨大なエネルギーが必要になることに変わりありません。
    「それほど物理に詳しくない」あなたがなんの根拠もなしに、1gや0.01gで多いと考えるなら、まあそれまでの話ですが。

    >基本的に光と同じで質量を考えない物質としてとらえて良い速度だと思います。
    だめです。
    なぜなら、ほんのわずかな質量でさえ、その質量を生み出し、増大する見かけの質量に抗して光速に向けて加速するには膨大なエネルギーが必要になるからです。
    そのことは考察の中でも触れているはずですよ。
    核分裂や核融合がわずかな核燃料で膨大なエネルギーを発生させることができるのか知っていれば、わかる話ですよ。

    >さすがにこの考察のしかたは無理があるのではないかと・・・
    ご指摘された陽電子の質量については上で説明したとおり、便宜上の例えですが、その他に考察に不備がありますか?
    そもそもこの考察の本質は、実際に発射される陽電子の質量ではなく、ある質量の陽電子を生み出し、発射するにはどれだけのエネルギーが必要になるか、相対論的な効果を含めて考察することにあるので、私からすればあなたの指摘は揚げ足取りにすぎないんです。
    「Aくんがりんご100個、Bくんがりんご200個食べました、さて二人で合わせて何個のりんごを食べたでしょう?」という足し算の問いに対して、「一人の人間がそんなにりんご食べれるわけがない!」とおっしゃっているようなものです。

  5. | URL | -

    通常陽電子ということは、電子と質量同じものとして換算して良いかと思います。
    それであれば電子について飛ばした際(電磁波と考えても良いのでしょうか?)光速として考えて良いことを考えれば、その質量は無視して良いものと思われます。

    そもそも光子については、質量が無いものとして考えると思いますが、その点については電子についても同じものと私は理解しています。
    そもそも、光についても電磁波として考え、理論上光子というものを想定する場合に質量を0として考えるというだけの話です。エネルギーがある以上光子にも質量は存在するかと・・・

    その上で、光は光速、電子ないし陽電子は光速に到達し得ないと言うのであれば私には上に書いてある理論で説明できるとは思えない。そう思っています。

    ---
    だめです。
    なぜなら、ほんのわずかな質量でさえ、その質量を生み出し、増大する見かけの質量に抗して光速に向けて加速するには膨大なエネルギーが必要になるからです。
    そのことは考察の中でも触れているはずですよ。
    核分裂や核融合がわずかな核燃料で膨大なエネルギーを発生させることができるのか知っていれば、わかる話ですよ。
    ---
    ご指摘された陽電子の質量については上で説明したとおり、便宜上の例えですが、その他に考察に不備がありますか?
    そもそもこの考察の本質は、実際に発射される陽電子の質量ではなく、ある質量の陽電子を生み出し、発射するにはどれだけのエネルギーが必要になるか、相対論的な効果を含めて考察することにあるので、私からすればあなたの指摘は揚げ足取りにすぎないんです。
    「Aくんがりんご100個、Bくんがりんご200個食べました、さて二人で合わせて何個のりんごを食べたでしょう?」という足し算の問いに対して、「一人の人間がそんなにりんご食べれるわけがない!」とおっしゃっているようなものです。
    ---

    こうおっしゃられるのであれば同様に光子、光についても便宜上質量を定義する必要があるかと思います。
    光については光速に到達し、電子については(陽電子も同様ですが)到達しないということは説明できないと私は思います。

    光に関しては質量は無視するのに電子(陽電子)については質量を無視しない理由が理解できません。


    まぁ私の考えてる所のどこかに勘違いがあるのかもしれませんが・・・揚げ足取りとまで言われるとちょっと・・・という所です。別段グラム数が1kgだから大きいとか言っているわけではありません。

  6. 現象也 | URL | -

    >通常陽電子ということは、電子と質量同じものとして換算して良いかと思います。
    陽電子は電子と電荷が逆で同じ質量の素粒子ですから、そうですね。

    >それであれば電子について飛ばした際(電磁波と考えても良いのでしょうか?)
    >光速として考えて良いことを考えれば
    すみません、何をおっしゃっているのか理解できません。
    文脈から、「それであれば」=「陽電子の質量は電子を同じ」ですが、陽電子が電子を同じ質量を持つならば、どうして光速として考えて良いのですか?
    その前提条件は一体どこから来たのですか?
    「飛ばした際」と簡単におっしゃってますが、エネルギーを与えないでも勝手に電子は光速で動き始めると考えているのですか?
    その飛ばすためにどのくらいエネルギーが必要になるかを考える過程をすっとばして、電子は光速で飛ぶと考えているから、理解できないのです。
    とりあえず、まず電子を光速で動かすにはどれだけエネルギーが必要になるか考えてみれば理解できると思いますよ。

    >その質量は無視して良いものと思われます。
    論理展開が逆です、質量が0であるから光速に達することができるのです。
    あなたは、まず光速に達するという出処不明の前提条件から、電子の質量を0だと決め付けているだけです。

    >そもそも光子については、質量が無いものとして考えると思いますが、その点については電子についても同じものと私は理解しています。
    >光に関しては質量は無視するのに電子(陽電子)については質量を無視しない理由が理解できません。
    最初から、光子は質量0で電子は9.1×10^-31[kg]の質量なんです。
    考えるとか無視するとか無視しないとか、そんな次元の話はどこにもありません。

    >エネルギーがある以上光子にも質量は存在するかと・・・
    では、まず光子に質量があるという記述のある、資料を見せてください。
    といっても、調べればわかりますが、現代物理では光子の質量は0ですし、さらに言えば、光子のエネルギーはE=hν(h:プランク定数,ν:周波数)で表されるように質量に依存しません。

    >その上で、光は光速、電子ないし陽電子は光速に到達し得ないと言うのであれば私には上に書いてある理論で説明できるとは思えない。
    ガンダム関連の設定を除き、上記の考察の論理過程・理論式は私が勝手に考えたものではなく、実際に物理分野で用いられているものです。
    ネットでも「加速器」「静止エネルギー」「ローレンツ変換」などのワードで検索すれば、論文や学術資料がいくらでも出てきます。
    もし、本当に電子・陽電子の質量が0ならば光速に達しますが、実際には質量があるので加速するほど、見かけの質量が増大し∞のエネルギーが必要になるため、光速に達することはないのです。
    「質量のあるものは光速に達しない」これは相対性理論の基本中の基本です。

    確かに、研究レベルでは加速器で光速の90%といった速さまで加速できますが、それでも加速できるのはわずかな電子ですし、消費電力も一般家庭何十万軒分に達します。
    さらに光速に近づけようとすると、指数関数的に消費電力が増えていきます。
    しかも、ローエングリンでは陽電子を対生成しなければならないために、陽電子の質量分の膨大な静止エネルギーまで上乗せされます。

    >こうおっしゃられるのであれば同様に光子、光についても便宜上質量を定義する必要があるかと思います。
    「便宜上の例え」というのは「ローエングリンが9.1×10^-31[kg]の電子をいくつ発射しているかわからないが、複数個全部でm=1[kg]分発射しているとして、計算を楽にすると共に、読者がmを任意にとった場合にm=1の場合のエネルギーをm倍することで容易に求められるようにする措置」のことであり、「電子に質量があると定義する措置」のことではありません。(そもそも電子は質量をもつ素粒子なんです!)


    あなたを悪く言おうとかそういうことは抜きに、もっと勉強してください、コメント欄で全部1から説明なんてできません。

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