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「ガンダリウム合金の加工方法は?」に回答

2012-04-08 22:07

質問

①物理的応力に強い

ザクマシンガンやその他モビルスーツの打撃、またビーム兵器(重粒子による物理攻撃)に対して変形しない強度

→通常の板金加工(曲げ、プレスなど)は困難


②圧倒的な耐熱強度

アッザムに攻撃された際、「表面温度が4000度」と言っているが、タングステンさえ融解する温度でも変形しない

→ヒートプレスや鋳造も困難、また通常の溶接も不可能


以上のような特性を持つ合金を加工するのであれば、

ガンダリウム合金のインゴットからの削りだし、接合は同じくガンダニウム合金製のボルト止め」

が一番現実的ではないかとの結論に至りました。

そもそもガンダリウム合金をリューター加工するビット(当然ガンダニウム合金同等かそれ以上の強度)をどう作るのか?

問題解決のため、いろいろと文献を漁りましたが、当該箇所について言及されているものはありませんでしたので、

ぜひ現役で板金、冶金、溶接などの加工をされている方の見解をお聞かせしたく存じます。

                                      (Yahoo!知恵袋の当該の質問より一部引用)



現象也の回答
・公共の場なのと字数制限があるので文章が堅いですm(_ _)m
マナーさえ守っていただければ、いくらコメントしていただいても構いませんので下のコメント欄でお気軽にどうぞ。
・ただし、記事内容と直接関係のない考察・議論・質問はこちらのコメント欄でお願いします。

はじめまして。

板金、冶金、溶接などは行なっておりませんが、材料学については大学で少し学んでいます。

それでも、よろしければ・・・


ちなみに質問は

『「ルナチタニウム」という架空の未来の産物を現代の加工法の目線で考える』

でよろしいでしょうか?

言ってしまえば「未来には今より優れた加工法や加工具が存在しているから、できるんだ!」で済んでしまうので・・・


>①物理的応力に強い

たしかに劇中、ルナチタニウム合金はジオンのザクなどに比べ圧倒的な防御力をみせていました。

しかし、設定ではルナチタニウム合金の耐弾性能は

ザクに用いられている超硬スチール合金(高張力鋼を改良したもの)のたかだか2倍程度です。

しかも、ガンダムの装甲は発泡金属、カーボン・セラミック、ボロン複合材などを

ルナチタニウム合金でサンドイッチした構造であって、ルナチタニウム単一であの防御能力をみせたわけではありません。

また、一度被弾すると発砲金属の気泡部分がつぶれることで衝撃を吸収するようになっているので、

劇中のセイラ・マスの台詞にあるとおり、ザクマシンガンといえど同じところに被弾すれば装甲が破壊される可能性があります。

(それと、ルナチタニウム合金はビーム兵器に対しては基本的には無力です。)


>②圧倒的な耐熱強度

これに関しては、手放しでアッザムリーダーの4000℃に耐えたのではなく、

ガンダムの機能の98%を冷却に回すことによって耐え抜いたと言われています。

スペースシャトルのノズルの再生冷却やジェットエンジンのタービンブレードのように、

普通なら耐えられない温度に耐えられるように対象(機体・装甲)を冷却しながら、高温に耐えたのではないでしょうか?

(冷却しながらでも装甲表面は相当のダメージを受けるが、それはアニメでは表現していないだけ・・・?)

また、ガンダムが大気圏突入する話においては、機体を冷却ガスで覆う(劇場版)

あるいは耐熱フィルムで覆う(TV版)などして高温に耐えています。

大気圏突入時の温度は1500℃程度と言われているので、

本来ならば燃え尽きてしまう温度はこの位ではないでしょうか?(※1)(※2)


以上のように、実際のルナチタニウム合金は材料として優れてはいるのですが、質問者様が考えるほどには優れていません。

まあ、そうはいっても連邦・ジオンともに量産化を見送るほどに、非常に生産性・加工性が悪いのは事実ですね。

(Zガンダムの時代に普及したガンダリウムγはナノメートルオーダーの結晶構造の操作により、加工性を改善したものです。)


詳しい加工方法については、ものづくりが畑違いなのでお答えできないです。申し訳ありません。

以下つらつらと・・・

溶接
ルナチタニウム合金の製造環境がもともとルナ=月なので、侵入型元素の心配のない真空下での作業ができる。

ガンダムが登場する時代には核融合炉のプラズマ制御、ビーム兵器など、溶接に応用可能な技術が発展している。

Zガンダムでは機体のメンテにレーザートーチを用いている。


鋳造
月の低重力環境でしか合金を製造できないことから(均一な固溶体を形成するためか)、行うならばやはり月面か。


削りだし
ルナチタニウム合金は剛性・耐食性・放射線遮断能力に優れるなど総じてパラメータが高いが、

物理的応力に対しての強さだけはルナチタニウム合金に勝る材料があり、それをビットに用いているのではないか・・・?

粒子ビーム加工という手もある。


※1 1500度というのは大気圏突入時のスペースシャトルのノーズ部や翼前縁の温度を参照してます。

   スペースシャトルの軌道より遠方からの突入だったり、より鋭角な機体構造だったりすると1500度以上になります。

※2 Zガンダムではカクリコンの搭乗するマラサイが大気圏突入で燃え尽きています。

   マラサイの装甲部材にはルナチタニウム合金(ガンダリウムα)を改良したガンダリウムγが使用してあったので、

   やっぱりガンダリウム合金は1500度付近で融解するっぽいです。

参考文献
「機動戦士ガンダム 公式百科事典」

「機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイムジャーナル」

「ガンダムMSグラフィカ」

前回も拍手・コメありがとう(*^ワ^*)


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コメント

  1. | URL | -

    基本的に1stは鋳造だったと思います、モノコック構造だし。
    終戦間際〜デラーズ紛争辺りで複合装甲が出始めてグリプス戦役以降は
    ムーバブルフレームが採用されました。
    この辺りからはセラミック外装にガンダリウムの装甲板を「挟み込む」ようにして使っていたんだと思います、大きさそのままで軽くなってますからね。

  2. 現象也 | URL | -

    >1さん

    現実の航空機や車なんかだとプレス成形後、各パーツを溶接という感じなんですけどルナチタニウムだと難しそうです。
    恐らく鋳造なんでしょうね。

    >「終戦間際〜デラーズ紛争辺りで複合装甲が出始めてグリプス戦役以降は~」
    知ってますよ。
    ただ、それは一般にそういう手法が普及したということじゃないですか?
    記事で書いた「ガンダムの装甲は発泡金属、カーボン・セラミック、ボロン複合材などをルナチタニウム合金でサンドイッチした構造」というのは設定にある事実ですからね、ルナチタニウム合金を挟み込む手法の走りとして1stがいるということなんでしょう。

    ちなみに1stは正しくはセミ・モノコック構造です。

  3. 離島生息中の乙 | URL | -

    単純に、月面では重力が地球より低くて材料を溶かして混ぜたときに沈殿や対流がおきにくくて質のいい合金が出来るのかと思ってました^^;

  4. 現象也 | URL | -

    Re:離島生息中の乙さん

    >単純に、月面では重力が地球より低くて材料を溶かして混ぜたときに沈殿や対流がおきにくくて質のいい合金が出来るのかと思ってました^^;

    それもルナ・チタニウムの強度が高い理由の一つだと思います。
    上の記事中でも
    「月の低重力環境でしか合金を製造できないことから(均一な固溶体を形成するためか)、行うならばやはり月面か。」
    と書いていますよね。

    固溶体というのは専門用語で「二種類以上の異なる物質が互いに均一に混ざった固相(固体)」のことを指します。
    言葉の定義では「均一に混ざった」となっていますが、おっしゃる通り沈殿や対流などにより地球上では完璧に均一な合金は作れません。
    (一部でも構造に欠陥があるとそこに力が集中し、亀裂が生まれやすくなります)
    ですが、無重力あるいはそれに近い環境なら均一で良質な合金が作れるということで間違いありません。

    実際にJAXAなどでも研究が行われているそうです。
    http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/strange_phenomena.html

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