質問
ガンダムなどのモビルスーツは重水素とヘリウム3の核反応で動いていると聞きました。
冷却問題を除けば稼働時間限界がないと聞きました。
では、ジェネレータ直結型ビームライフルは撃ち続けられるということですか?
ミノフスキー粒子はどうやって補充するんですか?
結局のところジェネレータがエネルギーを作っているのか
熱核反応炉から得られたエネルギーを電力に変えているのかどちらなのでしょうか?
ジェネレータからエネルギーを得ているのであればバランスよく使えばビームは無限に撃てると思います。
(Yahoo!知恵袋の当該の質問①②より引用)
・公共の場なのと字数制限があるので
文章が堅いですm(_ _)m
・
マナーさえ守っていただければ、いくらコメントしていただいても構いませんので下のコメント欄でお気軽にどうぞ。
・ただし、記事内容と直接関係のない考察・議論・質問は
こちらのコメント欄でお願いします。
一通り,ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉(MY炉)とジェネレータ,ミノフスキー粒子(M粒子)およびメガ粒子砲について
説明させていただきます.
長文かつ難解な話になりますが,お付き合いください.
まず、MY炉内ではおっしゃる通り重水素(D)とヘリウム3(3He)の核反応が起きています.
ただし,これはいわゆる普通の核融合ではありません.(※1)
まず,D(D原子核+2個の電子)と3He(3He原子核+電子)をプラズマ化(原子核と電子が解離した状態)し炉内に注入します.
すると,炉内に存在する正負のいずれかに帯電する性質のあるM粒子と「擬似原子」を生成します.(※2)
つまり,「D原子核+2個の負のM粒子(D擬似原子)」,「3He原子核+負のM粒子(3He擬似原子)」,
「正のM粒子+電子」(←これだけ3組生成)の3種類の擬似原子が生成します.
これらの擬似原子を構成するM粒子にもIフィールド(IF)の斥力(τフォース)が働くため,
擬似原子は高温・高圧の炉内に閉じ込められ,激しい熱運動によって他の擬似原子と衝突します.
この際,D擬似原子と3He擬似原子が衝突すると「擬似分子」とでも言うべきものを形成し,途端に核融合し再分裂します。(※3)
あとには,「陽子+負のM粒子(水素擬似原子)」,「4He原子核+負のM粒子(4He擬似原子)」,3つずつの正負のM粒子と
膨大なエネルギーが放出されます.
この膨大なエネルギーはIFの結晶格子を介し,高効率で電流に変換されます.(※4)
つまり,MY炉では仰々しい付属ジェネレータがなくとも,
そのものだけでコンパクトかつ高効率に発電ができるということになります.(GO,FC2,EG2)
また,上記の反応で発生したエネルギーは電力や,推進剤を加熱・膨張させ推力を得るための熱源に利用される一方で,
MY炉そのものを稼働維持させるためにも利用されます。
ここからしばらくはミノフスキー物理学内でも学説的に賛否両論の絶えない(という設定の)理論の話になります。
その理論によると,M粒子は数学的に10次元で表される相転移空間にのみ存在し,
我々の暮らす通常空間でのM粒子の挙動(IFや電波かく乱等)は4次元解によって定義されるとされています.
どうやら,人間が観測できるM粒子は多空間で振舞うM粒子の「影」にすぎないようです.
そのM粒子が存在する相転移空間をミノフスキー空間(M空間)と呼ぶのですが,
この空間は一定以上のエネルギー(M空間しきい値)の供給なしには維持できません.
MY炉内ではM粒子(が結晶格子状に高密度に並んだIF)によって核反応に必要なプラズマ制御や触媒反応が行われますが,
同時にその核反応で発生したエネルギーによってM空間が維持され,M粒子の存在が可能となります.(GO,RPG)
(参考サイト:
Explanation -MS DEVELOPMENT HISTORY M. PHYSICS-)
このような相互作用の下で通常空間に「影」として現れたM粒子は,稼働維持に必要な分以外は炉内から取り出し,
ビームバリア用のIFや電波かく乱のため散布等に利用できます.(※5)
その利用方法の一つとして,ジェネレータ直結型のメガ粒子砲があるのです.
MY炉で発生した多数の正負のM粒子はその性質によって立体格子状に整列し,IFを形成します.
これをこれまたMY炉で生み出した電力によって,電磁的に圧縮していくとビームバリア用や炉心保持用IFといった
圧縮率の高いIFを経て,ついに正負のM粒子が融合,電気的に中性なメガ粒子に変化します.
このメガ粒子の質量は融合前の正負のM粒子の質量に加え,上記の電磁的な圧縮の過程で加えられたエネルギー(電力)が
質量に転換されているため,極めて見かけの質量が大きくなっています.(※6)
実際にはメガ粒子へと融合する際に,その見かけの質量の一部がメガ粒子の運動エネルギーへと転換します.(※6)
そのため,発生時点でメガ粒子はビーム兵器として十分な速度を持っており,
これを銃身内IFによって収束・加速することで実用的なメガ粒子ビームが得られるのです.(GO,GC,その他多数)
さて,エネルギーCAP(E-CAP)を使用したメガ粒子砲は融合寸前まで圧縮されたIF(M粒子)が内部に保持されており,
これに少しのエネルギーを加えるだけでメガ粒子を発生できるようになっています.
これに対し,ジェネレータ直結型はMY炉から取り出したM粒子(IF)の圧縮に大電力が必要なため,
「ジェネレータ(発電機)直結」と呼ばれるのです.(※7)
ですから,稼働維持に必要な分以上のM粒子が発生でき,
かつビーム用M粒子(IF)の圧縮を最初から行えるだけの大電力を取り出せるようなMY炉を搭載したMSならば,
ビームを打ち続けることは可能でしょう.
※1
M粒子自身は変化せず反応を補助しているため,MY炉は触媒反応炉だと言われる.
現実ではミューオンという素粒子(これがM粒子に当たる)を触媒とした,
ミューオン触媒核融合炉が存在する.
※2
電磁的に圧縮され,見かけの質量を増した炉心保持用IFから飛び出したM粒子の重さは電子の200倍に達している.
そのため擬似原子の大きさは通常より小さくなる.(詳しくは
ボーア半径に)
※3
通常の核融合では正に帯電した原子核同士がクーロン力(静電力)によって反発するため,
融合を起こすために
クーロン障壁以上の距離まで互いを近づける必要がある.
そのため,数億℃の高温と数百兆個/cm^3という高密度(高圧)状態を維持しなければならない.
MY炉内の擬似原子は原子核と負のM粒子とで,
電荷が遮蔽されており,他の擬似原子との反発が少ない上に,
大きさが小さいため擬似分子になった時点でクーロン障壁を越える.
そのため,それほど高温・高圧でなくても核反応が起きる.
例えば,ドムの炉心温度は十万℃である.(FC2,GC)
※4
エネルギーをIF結晶格子の振動として,つまり数万~数十万℃の熱や熱線として,
また電気的なゆらぎを介した電力として扱える.(EG2)
※5
艦艇であっても散布しすぎると炉出力が低下するため,1年戦争時は専用の散布艦が存在した.(GO)
ちなみに,ホワイトベースの側面円盤ユニットの外縁のスリットはM粒子の放出口である.
1st3話には「(ホワイトベースの)ミノフスキー粒子の残りはあと35時間あります」といった台詞もある.
また,MSのMY炉からは常時M粒子が漏れ出ている.(UCMW)
※6
核融合反応で質量がエネルギーに転換するのと同様に,
アインシュタインのE=mc^2に従って
質量とエネルギーが等価に転換する.
※7
一般にエネルギーCAPを使用すると1/20の電力で同威力のビームが撃てると言われる.
(英数記号)は参考文献
「
ガンダム参考文献リスト」
関連記事
「
アークエンジェルのプラズマブースター(ポジトロニック・インターフェアランスの原理)について」
「
「フリーダムガンダムの速さはどのくらいですか?」に回答(定性的、定量的・計算式を用いて解説)」
「
RX-78-2 ガンダムの諸説ある出力のスペック値について」
「
「ユニウスセブン落下に用いられた装置(フレアモーター)とその原理は?」に回答」
「
「Zガンダムのフライングアーマーはビームを防げるの?」に回答」
「
ガンダムの設定における「リアルな嘘」の話」
「
「ガンダムの360°全天周囲モニターが球状なのはなぜか?」に回答」
「
なぜU.C.のモビルスーツの高さは18mなのか?」
「
「ストライクフリーダムガンダムはどれくらい強いのか?」に回答」
「
「ローエングリンの陽電子ビームの速度は光速か?(ガンダムに登場するビームの速度)」に回答」
「
「ガンダムに登場する戦艦のビーム砲の出力は?」に回答」
「
「トータル・イクリプスのBETA光線級のレーザーをIフィールド、GNフィールドで防げる?」に回答」
「
「宇宙世紀のMS(核融合炉)とフリーダムガンダム(核分裂炉)の出力の違いは?」に回答」
「
「ガンダリウム合金の加工方法は?」に回答」
「
ガンダム第7話で自由落下と空気抵抗の考察 ~無事着陸できるのかwktk~」
「
「フリーダムガンダムの飛行方法・推進剤は?」に回答」
「
VPS・PS装甲の防御力について」
「
「フリーダムガンダムの速さは?」に回答」
「
ミノフスキー粒子の考察」
最新コメント